積極的に生きる―世界第9位の記録の裏に―

テニスのラケットとボールの写真

伊達公子さん出演 NHK「課外授業」という番組

 NHKで「課外授業」という番組があります。

これは、各分野で活躍されている時の人が、母校の小学校に帰り、一日教師となって、一つのクラスを受け持ちその人の物の見方・考え方を子供に授業という形で学んでもらう番組です。
その中で、テニスプレーヤーの伊達公子さんの授業がありました。

伊達公子さんが行った授業

 一時間目は、教室で自己紹介やテニスの紹介がありました。
その中で、伊達さんは子供たちに「難しいことに挑戦していくと、それより易しいことは簡単にできるようになるんだよ」と語りかけました。
その言葉に子供たちはキョトンとしていましたが、それは次の授業の体験で身体で知ることができました。
 二時間目は、いよいよ運動場でテニス!とはいきません。まず、伊達さんは、子供たち全員にラケットの上でボールをバウンドさせる回数を競争させました。
 すると一回しかできない子も多く、結構回数のできる男の子もいたり、しかし殆どの子供たちが上手くできません。


 そこで伊達さんは、ケンケンをさせながら、さっきと同じようにバウンドさせました。
これはとても難しく、全くできない子も多く、おとなしそうな一人の女の子は泣き出しました。
それを励まし、何回も何回もチャレンジさせます。そして、今度は、最初の普通のバウンドをさせてみました。
するとなんと驚きです。全員が簡単にできるのです。泣いていた女の子も100回以上もできるではありませんか。
運動場は達成感の感性に湧き、皆明るい自信に満ちた顔になっていました。
 この教え方を見て、伊達さんの優しさ、そして、謙虚な姿勢の中にものすごく積極的な生き方を感じました。

伊達公子選手について

 彼女は6才でテニスを始め、18才まで殆ど目立たず、世界の舞台で活躍するなんて誰も思いませんでした。
 しかし彼女は細く小さな体の欠点を、ある秘策を身につけることでカバーし、世界の檜舞台に立つことができたのです。
それは、「ライジングショット」といって、相手のサーブを一歩前に踏み出して打つというものです。
サーブが頂点に達するより手前のスピードのある時に打つと、威力のあるボールを打ち返すことができるのです。
 最初はさすがの彼女も時速200km近いスピードのボールには、一歩前に出る怖さに震えたそうです。
 しかし、その困難に積極的に立ち向かった結果、彼女はあのキャシャな身体で、世界第9位までのぼっていくことができたのだと思います。

わたしたちの生活の中で

 優しさや謙虚さや奥ゆかしさは、勝負の世界では、時として弱さとなります。
勝つためには、一歩前に踏み込む勇気と強さが求められます。

 私たちの日常の仕事や生活の中にもその”勝負の時”が幾度となくあります。
そんな時、伊達さんの様に一歩前に出る積極的な生き方をしたいですね。

物の見方・考え方のヒント
・難しいことに挑戦すると、易しいことは簡単にできる
・一歩前に踏み込む積極性を持つ
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